関 博志 先生
杏林大学医学部 麻酔科学教室 准教授 /
杏林大学医学部付属病院 周術期管理センター 副センター長
インタビュー実施日:2023年1月16日
(オンラインにて)
術後悪心・嘔吐(postoperative nausea and vomiting ; PONV)は全身麻酔後の患者QOLに大きく影響する。実際、術後疼痛よりもPONVが苦痛であったと訴える患者も少なくない。さらに、PONVは離床や退院の遅延の原因ともなり、医療経済上も問題となりうる。昨今の周術期管理のトレンドでもあるOpioid-free anesthesia/ analgesiaもPONV予防を考慮したものと言え、米国のSociety for Ambulatory Anesthesiaが数年ごとに出版し、世界中の麻酔関連学会から公認されてきたPONVの予防と治療に関するガイドライン(SAMBAガイドライン)1)は、2020年には日本麻酔科学会からも公認され、国内でもPONV予防の重要性が再認識されている。
近年、麻酔科医は手術、麻酔の安全性確保のみならず、術後のQOLや長期予後の改善まで求められるようになってきている。今回は、PONVの予防を主眼に置いた麻酔の在り方について、患者の術前評価の実践の最前線におられる杏林大学の関 博志先生にお聞きした。
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