末期腎不全における療法選択 ~Shared Decision Making(SDM)~
治療方針決定の代表的なアプローチには、過去の経験や最新の知見に基づき医療者が決定する「パターナリズム(paternalistic approach)」、医療者が患者に選択肢・情報を提示し患者が自己責任で決定する「インフォームドアプローチ」、そして、医療者からの情報とともに、患者からの情報も含め、患者のニーズに基づき話し合いを重ねて協働で意思を決定する「協働アプローチ(Shared Decision Making:SDM)」があります。
これらのどのアプローチが適切かは、その時々の状況によって異なりますが、唯一最善な治療法が明確でなく、治療法に選択肢があり、QOLや予後への影響など、患者負担が大きい治療に関しては、「SDM」が適切であろうと考えられます。
腎臓病は、慢性疾患であり、治療は患者の価値観やQOLに影響を与えるため、治療の選択・意思決定にあたっては、「SDM」のアプローチが適切な領域と考えられます。同じ年齢、性別、源疾患を持つ末期腎不全患者であっても、どの治療がその患者(や家族)にとって最善かは、日々の 生活の様子や生きがい、人生観等によって異なりますし、患者(や家族)のライフステージによっても変化していきます。
ここでは、腎不全の療法選択支援にあたり、SDMを実践されているご施設の取り組みをご紹介いたします。
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【参考】
腎臓病SDM推進協会 ホームページ https://www.ckdsdm.jp
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●腎不全治療の療法選択支援におけるShared Decision Making(SDM)の実践
1: 日本赤十字社和歌山医療センターの取り組み
2: 独立行政法人国立病院機構災害医療センターの取り組み
3: 国家公務員共済組合連合会呉共済病院の取り組み
4: 座談会(2020年10月開催:日本医科大学多摩永山病院、信楽園病院、愛媛県立中央病院、東海大学医学部付属八王子病院の取り組み他)
5: 勤医協中央病院の取り組み
6: 福岡大学病院の取り組み
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